General Medicine_Appetiteloss_201612

地域医療実習の初日であり、オリエンテーション、採血実習、臨床推論のカンファレンスをしました。

70歳男性

主訴:食欲不振

現病歴:1ヶ月前から食事量が減ってきた

既往歴:なし

内服歴:なし

生活歴:喫煙:20歳から現在まで20本/day、飲酒:機会飲酒程度

家族歴:特記事項なし

 

第一印象

学生さんの答え:腸閉塞、大腸癌、食道アカラシア、過敏性腸症候群、うつ病でした。

大腸癌は50歳以上の方で、消化器症状があれば念頭に置いておかないといけない疾患です。また食道アカラシアも本症では年齢が合わないところはありますが、いい答えでした。

ストレス社会であり、精神疾患は考えていかないといけません。スクリーニングはありますが、ある程度除外診断になるでしょう。

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私個人的には食欲不振は臨床的に多い主訴ではあるのですが、臨床推論しづらいです。非特異的な訴えで、これ単独では診断にいたることは少ないです。他の、症候・徴候を見いだすことが大切です。

まずは左側の群から鑑別診断をあげるのが、カンファレンスでは王道です。場が冷えてきたら、ズバっと右の群の鑑別疾患をあげると、こいつできるなという印象があります。

 

消化器疾患:胃炎、胃十二指腸潰瘍、急性肝炎、便秘など

悪性腫瘍:50歳以上では常に念頭に

感染症:肺炎、尿路感染症など、結核はいつも頭に隅に置いておきましょう

 

精神疾患:神経性食欲不振症、うつ病、統合失調症など

薬物、妊娠:問診が重要です

心理社会的:ストレス、過労、運動不足、食習慣の乱れなど、family medicineの出番ですね

まずは食欲不振のstrategyで一通りあがったら、次にVINDICATEで病態から攻めていきます。

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これを参考に学生さんはいろいろな回答がありました。

腸炎、胃癌、肝臓癌、膵癌など出てきました。時間の関係で長くカンファレンスできなかったのが残念でした。

食欲不振は本症例のように数週間、症状が続きすることが多く、緊急性があるケースは少ないのですが

全身状態の評価、脱水、栄養状態、体重減少の程度:とくに神経性食欲不振症の場合、比較的元気に見えてもプレショックに近い状態であることもあるので注意が必要である。

重症急性疾患の診断:心不全・肺炎・脳血管障害、糖尿病性ケトアシドーシス、急性肝炎、胆嚢炎、腸閉塞、甲状腺クリーゼなど、特に高齢者では食欲不振以外の訴えがないことがある。

出血:消化性潰瘍、腸炎など

薬物中毒:ジギタリス、アミノフィリン中毒など

が緊急性があるケースがあり注意が必要です。

 

あと、医師の仕事の素敵さや幸せになるためにというテーマで話をして、海部実習に送り出しました。まじめで熱心な学生さん達で、いっぱい吸収して帰ってきてくれるでしょう。

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